兵庫島公園は、二子玉川駅から歩いてすぐの多摩川河川敷にある公園。
多摩川に支流の野川が合流するポイントで、二つの川に挟まれた場所に「兵庫島」と「兵庫池」がある。
公園は橋にも挟まれている。
二子橋に並行する鉄道用の橋を、東急田園都市線と大井町線の電車がひっきりなしに渡る。
公園の元となった兵庫島は、昔は本当に中洲の島だったが、現在は河川敷と陸続きになっている。
たび重なる多摩川の洪水で島が移動して陸とくっついたのだ。
小高い丘にこんもりと木が茂る兵庫島は、今も「島」のように見える。
兵庫島という名の由来は、室町時代まで遡る。
1358年、兵庫島の上流の稲城矢口の渡で、かの新田義貞の子義興が足利軍に攻められて敗れた。
この時、義興の従者だった由良兵庫助も自害し、その死体がこの地に流れ着く。
災いを恐れた村人たちは兵庫助の遺体を島に供養し、これが島の名の元となった。
兵庫島の丘の上は静かだ。
藤棚の下にベンチがあって、木陰で一休みできる。
兵庫池(別名ひょうたん池)は人工の池。
多摩川と野川が流れているのに、なぜその間に人工の池まで造ったのかと思うが、少なくとも遠目には、このひょうたん形の池が、公園の水気に満ちた美しい景観を作り出している(近寄って見ると、ヘドロが溜まっていて綺麗でないのが残念)。
それに、兵庫池に注ぐ人工の小川は、子供たちの良い遊び場になっている。
この辺りの、特に野川合流地点の多摩川の流れは意外と速い。
過去に子供が流されて死亡する事故も起きており、気安く水に入る人も少ない。
人工の小川の方でなら、子供も安心して水遊びできる(小川の水は綺麗)。
多摩川の水際まで行ってみる。
川岸の石段に腰掛けて思い思いに川を眺める人々がいる。
ちょっと京都の鴨川デルタっぽい。
間近に見る多摩川は、やはり大河だなあと感じる。
野川の周りは昨年の秋頃からずっと堤防工事中で、野川に架かる「兵庫橋」も通行できなかったが、今年の夏に一区切りついて橋が再開した。
二子玉川駅方面からは兵庫橋を渡って兵庫島公園へ入る。
野川の水はとても綺麗。
魚もたくさんいて、工事の前は兵庫橋の周りで糸を垂れる釣り人が多かった。
兵庫橋の近辺は、2019年の台風19号襲来時に川の水が溢れて住宅地が冠水した場所だ。
ここより下流の方では当時既に頑強な堤防ができていて出水も無かったが、兵庫橋付近は整備が遅れていて、被害が出てしまった。
その対策となる新しい堤防ができていた。
整備はまだ完了ではなく、令和6年度まで工事が続くらしい。
新しい堤防の東側の、東急線の高架下の辺りには、シートカバーがかかった所(土砂か何かか?)が残っていた。
あの時の台風の爪痕は、まだ消えていない。
兵庫島公園のどこかに水神の祠があると聞いて、探してみた。
これだろうか?
以前はもうちょっと立派な祠が別の場所にあったらしいが、今はこれが、目立たない場所にあった。
兵庫島公園に来たら、みなさんも水神様を探してみてください。